銀魂がこんなに続くなんて思ってもみなかった。

6月17日に配信予定の最新話で銀魂が終わりを迎えるらしい。断定ではなく「らしい」としているのはこれまで何度も終わる終わる詐欺を繰り返してきた前科があるからなのですが、それはともかくこんなに長期にわたって連載が続くなんて僕は連載開始当初は全く思っていなかった。

銀魂の連載が始まったのは2004年2号からで、2004年度最初の新連載3枠の内の2枠目でした。1枠目はDEATH NOTEで3枠目はLIVE。ご存じの通りDEATH NOTEはめちゃくちゃヒットした作品で、LIVEはジャンプ連載経験のある梅澤春人の作品*1。この2作品に挟まれた銀魂は正直なんかかませ犬って感じだった。
銀魂空知英秋にとって初の連載作品で、2002年の「だんでらいおん」、2003年の「しろくろ」という2本の読切に続く掲載作品。今思えば割と期待されていたんだと思う。連載当初は話は面白かったんだけど、他と比べて突き抜けた面白さがあるってわけではなくて、絵は上手くないし、文字多くて読みづらいし、掲載順後ろだし、残念だけどこりゃ終わるなという感じでした。

僕は最初期の銀魂の面白さって、ジャンプ誌上で繰り広げられていた初代担当の大西氏とのプロレスだと思っています。大西氏が考えるファンレター募集コメントの酷さ*2に空知が巻末コメント上で「担当編集が書くFL募集コメントに悪意を感じる。来週から書けるS(スペース)なくしてやる。ざまみろ大西。」とブチギレ、バレンタインの時期に書かれた「生まれて初めてのVチョコに感涙!空知英秋先生の作品が読めるのは週刊少年ジャンプだけ!!」という募集コメントに堪忍袋の緒が切れたのか「担当血祭り開催」と題して巻末コメント上で大西disを繰り広げていました。大西氏も巻末コメントで空知disし返すし、もうやりたい放題。下記はそのdis合戦の一例なのですが、傍からみるとちょっとサムい。サムいけど、その異質な感じが当時10代だった僕にはなんか面白かった。

空知コメント:大西血祭り第一幕「大西さんってモミアゲまでオシャレっスね……テクノカットにしてやろーかァァァ!!」
大西氏コメント:「何か下品なタイトルの変な漫画描いてる彼のボサボサ野人ヘアよりは僕のさわやかヘアの方が好感度高いですよ」


このやり取りを振り返ってみて、僕は銀魂じゃなくて空知英秋が好きだったんだろうなって思った。正直に言うとジャンプでの連載終了間近の時は、銀魂はほとんど流し読みで空知の巻末コメントはちゃんと読む、みたいな感じだった。ジャンプ巻末から空知の名前が消えた今、巻末ページは非常に穏やかだ。何かおもしろくない。僕にとって「ジャンプは巻末まで面白い」ではなくなっていた。
銀魂が本当に終わるとして、空知の次作はどの媒体に載るのだろう。いつも締め切りに追われていた(らしい)彼のことだから、もう週刊連載は無理なんじゃないだろうか。できることならまたジャンプで連載してほしい。巻末まで面白いジャンプには空知が必要だと僕は思う。

最後に、最後のファンブック「広侍苑」432ページて。鈍器じゃん、鈍器。服の下に入れとけば刺されても命助かる厚さじゃん。これは買いですね。

銀魂―ぎんたま― 77 (ジャンプコミックス)

銀魂―ぎんたま― 77 (ジャンプコミックス)

*1:残念ながら打ち切りでした

*2:「今年は申年、俺の年!ゴリラ顔の空知先生の作品が読めるのは週刊少年ジャンプだけ!!」「あまり風呂に入らない不潔な空知先生に応援のFLを!!」など