大森靖子の「絶対彼女 feat. 道重さゆみ」を受け入れられなかった


大森靖子メジャーデビュー5周年記念企画「超歌手5周年ハンドメイドミラクル5!」の第一弾としてリリースされた「絶対彼女 feat. 道重さゆみ」、リリース情報が公開になって即amazonで予約したんですよ、CD+Blu-rayと2CD+DVDを。ファンなので。その後公開されたMVを観たんですが、あーこれはだめだなー、原曲を超えねーな、歌詞変わってるし、道重さゆみのカラオケじゃん、道重さゆみのファンじゃねーしなぁーこれはきついなーと思いまして。でも買ったんですよ、カップリング曲*1やBDとDVD目当てで。でも「絶対彼女 feat. 道重さゆみ」は数回聴いて終わり。聴いていない。

絶対彼女 feat. 道重さゆみ(CD+Blu-ray Disc)

絶対彼女 feat. 道重さゆみ(CD+Blu-ray Disc)

絶対彼女 feat. 道重さゆみ(2CD+DVD)

絶対彼女 feat. 道重さゆみ(2CD+DVD)


僕は大森靖子と出会うまではどちらかというとアンチアイドル派*2で、意図して聴かないみたいな感じだったんです。けど大森靖子の曲「ハンドメイドホーム」の一節「毎日もうどうかしそうで アイドルだって笑ってるし」を聴いて、上手く表現できないですがアイドルに対する見方が変わったというかなんというか、少なくとも大森靖子道重さゆみを崇拝する理由がなんとなくわかったし、自分がそれを否定するようなアティチュードのまま大森靖子を聴くのはなんか違うなと思ったんです。だからアンチはやめて、アイドルに対してフラットな目で見るようになった。まぁアンチ活動なんてしたことなかったけど。

アイドルに対する見る目を変えたとはいえ、まったく興味ないんですよ、アイドルに。だから大森靖子から発せられるアイドル関連の物事も、ほんと好きだなー程度でスルーするしてたところに今回の「絶対彼女 feat. 道重さゆみ」。前述のとおり、無理だった。

たぶん完全新曲だったらまた違ったと思う。ゆるめるモ!のあのちゃんとデュエットした「勹″ッと<るSUMMER」はむしろ好きな曲だし。だけど、「絶対彼女」はいわゆるテープが擦り切れるまで聴いた曲で、思い入れもある。それを自分の興味ないアイドルとのデュエットで焼き直しされると、どうもね。どこかの誰かが自身の名義でカバーしてリリースするならいいんですけど、大森靖子という屋号で興味ない人のカラオケ聴かせられるのはどうしても...ね。

道重さゆみとフィーチャリングすることが大森靖子にとってどういうことか分かるし、正直「超歌手5周年ハンドメイドミラクル5!」の門出にふさわしい。でもそれを手放しで喜び、「絶対彼女 feat. 道重さゆみ」をヘビロテするだけの心の広さは僕にはなかった。それだけ。大森靖子道重さゆみも「絶対彼女 feat. 道重さゆみ」も悪くない。こんな複雑な気持ちになるなら、アイドルに傾倒してたらよかったなと思う。


そんな感じで個人的には複雑な始まりだった「超歌手5周年ハンドメイドミラクル5!」。第二弾は全国47都道府県ツアー、第三弾は銀杏BOYZ峯田和伸との共作「Re: Re: Love 大森靖子feat.峯田和伸」と凄いことになってきましたね。これ第五弾は武道館あるんじゃない!?と思ってるんですが、ないですか?あるでしょ、武道館やるでしょ。絶対。

*1:「LOW hAPPYENDROLL --少女のままで死ぬ-- feat. 平賀さち枝」すごく良かったです

*2:というかアイドルに対する偏見持ち

tricotの虜


2019年3月20日にリリースされたtricotの新しいEP「リピート」聴きましたか?
僕は聴くのに苦戦しました。なんせこのEP、盤が音楽データが記録されている範囲以外は透明で、レーベル面に装飾がないため、一見すると裏表が判別できないデザインになっている。ジャケットもないから(厳密にはあるんだけど)透明なジュエルケースと一体化しているみたいでかっこいい。かっこいいんだけど、DVDドライブによってはCDとして認識されないので、普段PCで音楽聴いてる人たちにはヤバい仕様。現時点で配信もない*1ので、DVDドライブとの相性が悪いと全貌を知ることができないので詰みます。
この件についてはtricotの公式twitterで対応を発表しているので、詰んでる方はどうぞ。
https://twitter.com/tricot_band/status/1115885249597181952

かくいう私も普段はiTunes経由で音楽プレイヤーに転送して聴いていて、普段は外付けDVDドライブにお世話になっているのですが、案の定CDとの相性が悪くて詰みかけました。やべーなぁーどうしようかなぁーと思っていたところ、ふといつでも捨てれるように片づけていた古びたでかいデスクトップ(DVDドライブ内蔵)を引っ張り出してきて試してみたところ、運よくリッピング&転送して聴くことに成功しました。
曲の方ですが、このEPの前にリリースされたシングル「Potage/ブームに乗って」のPotageを聴いて感じた独特のムードが今回のEPにも表れていて(リード曲である「大発明」は「ブームに乗って」のような曲で、どちらかというと今までのtricotという感じですね)、僕はPotageの感じがすごく好きだったので、このEPも好きです。

アルバム「3」以前はどちらかというと気軽にノれないマスロック、もしくはよく分からんけど曲調の激しさにまかせて暴れるタイプの曲が多かったと感じていたんですが、「Potage/ブームに乗って」やこの「リピート」では、少しテンポの遅いどっしりとしたマスロックや、自然に体を揺らしながらノることができる曲が増えてきて、マスロック一辺倒ではない新たな一面出てきたなと感じています。

と、ここまで書いて下書き保存していたまま投稿するのを忘れていたんですが、avexからメジャーデビューしましたね。ニュースを聞いて、ジェニーハイつながりでワーナーじゃないのかーという驚きと、「なーんだメジャー行くんだー」という少しがっかりな気持ちが入り混じった感想を持ちました。メジャーデビューしてもおかしくない人気でずーっとやっていたので、今回のデビューは当然と言えば当然なんですが、実際メジャーデビューと聞くと変な感じです。
彼女たちのやんちゃな感じはインディーだからこそ出来てたと僕は思うのですが、今回のリピートCDの再生不能の件とか正直彼女たちのやんちゃに対するサポートが力不足な印象だったので*2、メジャーに行くことで彼女たちのアイデアを粗相なく具現化できるようになるはず。でもメジャーになることでできなくなる事もきっと出てくるだろうし、トータルで今までとあまり活動の仕方は変わらないのかなぁ。大発明の歌詞みたいに後悔するようなことにならなければいいけど。。。

リピート

リピート

リピート

リピート


メジャーデビュー前最後の音源である「リピート」。CD発売時は一悶着ありましたが、無事に各所で配信も開始されたので、よかったら聴いてください!!オススメです!!!(無理矢理締める)

*1:2019/3の時点

*2:CD再生不能つながりの水曜日のカンパネラのシングル「ディアブロ」も同じくインディーの時代の出来事なんですよね。。。

狂う目から可笑しいへ向かって

ちょっとそこのお姉さん!!ナンバーガールのWebサイト、更新されていますよ!!ツアーもあるってよ!!タイミングが!!!悪すぎる!!僕なんてツアー発表の前日にRSRの抽選受付応募しちゃったじゃないですか!!
まぁ、僕のタイミングの悪い話は置いておいて。ナンバーガールのWebサイトが更新されて、Discography、Biography、Live、そしてGoodsのページが増えていたんですが、ちょっとBiographyのページを見て欲しい。
BIOGRAPHY | NUMBER GIRL official website
向井秀徳めっちゃいい笑顔してる。すごく嬉しそう。あまりの笑顔に壁紙にしたくなります。それにひきかえ他の皆さんは真剣ですね。

ライヴ・アルバム ?サッポロ OMOIDE IN MY HEAD 状態

ライヴ・アルバム ?サッポロ OMOIDE IN MY HEAD 状態

張り裂けるこの想いだれに伝えよう「ナンバーガールが始まるよ」


ナンバーガール再結成。ナンバーガールが再結成...?
一報が入ったとき、まぁデマだと思った。だって再結成するわけないじゃない。向井と中尾憲太郎44歳が相まみえることなんてないだろうなってファンはみんな思ってたよ、きっと。
でも本当だった。RISING SUN ROCK FESTIVAL 2019 in EZOでライブするって。たぶんRSR20周年とナンバーガールメジャーデビュー20周年という節目の年だったからなんでしょう。RSR初回にナンバガ出てるし。
正直、再結成してほしくなかったみたいなところはある。向井秀徳中尾憲太郎44歳には意地を張ったままでいてほしかった。向井秀徳ZAZEN BOYSでやりたいことやれてるし、ナンバガの曲だってアコエレで演奏してる。中尾憲太郎44歳だって色々やってる。EQDのアンバサダーにもなってるし。田渕ひさ子だって地味に活動してるし。アヒト・イナザワは...まああれだよあれ*1
再結成する理由の一つとして向井秀徳が「稼ぎてえ」とコメントしてるわけで、金が目的という再結成にありがちな理由かーって思う一方、「稼ぎてえ」は向井秀徳なりの照れ隠しだとも思うんです。たぶんやりたかったんですよ、ナンバガの曲をバンドサウンドで。向井秀徳アコースティック&エレクトリックで演奏しててうずうずしてたんでしょう。ずっと機会をうかがってたんですよきっと。15周年じゃちょっと理由付けにはたらんばい。RSR20周年とメジャーデビュー20周年が一緒やん。今がチャンスたい!!!って。
もうさ、今から楽しみでならない。RSRに行く計画も立て始めたし、たぶんRSR終わったらツアー始まるんだろうなとか、あわよくば新譜も...とか(再結成後のライブ盤でもよし)。
と同時に、ライブを観るのはちょっと怖い。ぼくは後追いなので生でライブを観たことがなく、ライブ盤でしかその熱量を感じたことがない。「ライブ盤ですごいんだから生はもっとすごいんだろうなぁ」ていうハードルを上げ続けていくこと十数年、スカイツリーより高く上がったハードルをover40のおじさんおばさんが超えれるのか?20代の熱量を今も出せるのか???と不安になっています。あとは、曲のアレンジも気になるところ。当時のアレンジを再現してくるのか、それとも今の向井秀徳が考えるナンバーガール2019ver.なのか。僕は後者を望んでいます。オタクっぽいMCもしてくれないかなーと思ってるけど、さすがに無理かなぁ。
セットリストはどうなるんだろ。やっぱり「サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態」と似たり寄ったりになるんだろうか。「SUPPUKEI」や「NUM-HEAVYMETALLIC」の曲もいいんだけど、個人的には「SCHOOL GIRL BYE BYE」収録のminigramerとかセンチメンタル過剰とかそういう初期の曲も聴きたい。あとSUPER YOUNGの間奏でのアドリブ語りを聴いてみたいね。

SAPPUKEI 15th Anniversary Edition

SAPPUKEI 15th Anniversary Edition

サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態 [Blu-ray]

サッポロOMOIDE IN MY HEAD状態 [Blu-ray]

SCHOOL GIRL BYE BYE

SCHOOL GIRL BYE BYE

最後にいい忘れたけど、ナンバーガール再結成がバズったことに便乗して宣伝するの本当にやめて欲しい。

*1:ブログ更新後、タイムリーにVOLATwitterで言及されてたんですけど、福岡でドライバーを生業としてるらしいですねhttps://twitter.com/vola_fc/status/1100757193295462401

僕は崎山蒼志を聴いたんだ

崎山蒼志16歳。ナードな風貌、シャイな受け答え、はにかんだ笑顔から呼び捨てではなく崎山くんと呼びたくなる。
彼といえばAbemaTV「日村がゆく」に出演し、スカートの澤部渡YOUR SONG IS GOODのサイトウ "JxJx" ジュンを唸らせ、出演回配信後には、Twitterくるり岸田繁ゲスの極み乙女。川谷絵音が好感触な反応を示す。
曲を聴く前にそんなストーリー耳にしたら、いやでもハイプだって思うじゃないですか。「あー、これ完全にメディアにおもちゃにされるやつ、中学生/高校生のちょっと曲できるやつがメディアにおもちゃにされて捨てられるやつじゃん」って思ったんです。10代の頃にロキノンから受けた洗脳がまだ解けきってないので。

とはいえ岸田繁澤部渡というネームにとりあえず聴いてみなきゃと思い、崎山くん出演回を視聴したんですが、良い、良いですよね、五月雨。見た目完全にオタクにカテゴライズされそうなのに、ギター弾きだした途端左手がわちゃわちゃ動いて荒々しい音を奏でるから「え?え?え?」って混乱してたらあの癖のある歌声。もう呆然ですよね、すごくて。「これは良いアーティスト出てきたなぁ、きっとインディでCD出すだろうし追っていかなきゃなぁ」って思ってたら、割とすぐ五月雨を収録したシングルが配信されたんですが、リリース元に記載されているSony Music Artists Inc.で「は?」と。どメジャーじゃないですか。「終わった、セルアウトだ、崎山くんがめちゃめちゃにされる」と思ったんです、10代の頃にPitchforkで叩き込まれたインディ精神が抜けきっていないので。

それでApple Musicで「夏至/五月雨」を聴いたんですが、五月雨とは違うゆっくりとしたテンポに、第二の五月雨を待ち望んでいた僕は「あーこれは一発屋扱いされてダメになるパターンだ」と思いました。
第二の五月雨を欲していた僕はその後五月雨ばかりリピートして夏至を聴かず、その後リリースされた「神経」もやっぱり聴かず、さらには五月雨ばっかりリピートするもんだから五月雨にも飽きてしまった。
2018年の12月にアルバム「いつかみた国」がリリースされた時も、何か怖くて聞けなかったんです。五月雨と比べてがっかりするんだろうなって思って。だから買わずにいたら、2019年の1月にリリースイベントで京都に来るっていうのでせっかくだし生で観なきゃな、せっかくだからアルバム事前に聴いておかなきゃなってことで聴いたんです。...良くないですか?これ?

五月雨はないんです。ないんですよ、どこにも。でも五月雨に込められた激しさみたいなものが、どの曲にも込められてますよ。静かな激しさというかなんというか。「夏至」や「神経」で感じることができたスローで暖かい曲調と前述の静かな激しさが同居していて「国」から「旅の中で」までまとまっている。ただし「龍の子」、てめーはダメだ。
アルバムの収録曲に「塔と海」に「真っ青な海に飛び込んで 知った世界だから 傷つき分からないことだらけで ここまで来てしまった」という歌詞があって、この歌詞が今の彼の状況を反映しているんじゃないかって勝手に思って、グッとくるものがあったよね。高1でこんな歌詞書くなんて化け物じゃん。
で、リリースイベントに行ったんですが、意外とおばさま多いですね。そりゃあシャイな感じがかわいいですし、歌いだした途端に感じるギャップも最高。「静岡県浜松市から来ました崎山蒼志です」というMCと白いYシャツが向井秀徳リスペクトか!?と思わせるところもいい。もちろん曲もいい。ライブの方が熱が籠っていてまた生で観たくなる。「五月雨」もさらに激しくなってて最高。最高!!!!
「いつかみた国」は推せる。自分の年間ベストアルバムに入る。けど「龍の子」、てめーはダメだ。

いつかみた国(DVD付)

いつかみた国(DVD付)

夏至/五月雨/神経

夏至/五月雨/神経